
富山県にお住まいの親御さん、あるいは東京への進学を目指している高校生の皆さんにとって、東京での「住まい」の問題は非常に頭を悩ませるテーマではないでしょうか。家賃相場が極めて高い東京都心において、安心して、しかも格安で生活できる場所があれば、これほど心強いことはありません。そこでまず最初にご紹介したいのが、東京都文京区という一等地に存在する「石川富山明倫学館」です。「明倫」という名がついている通り、この施設は富山と非常に深い関わりを持っています。
この寮は、公益財団法人加越能育英社が運営しており、その名の通り石川県と富山県の出身者(男子学生)を対象とした学生寮です。特筆すべきは、その立地と費用のコストパフォーマンスの良さです。文京区小石川といえば、東京大学や多くの一流大学へのアクセスが抜群に良いエリアであり、治安も良く、本来であればワンルームマンションを借りるだけで家賃が10万円近く、あるいはそれ以上かかってもおかしくない場所です。しかし、この明倫学館であれば、食事付きで驚くほどリーズナブルに生活することが可能です。
によると、部屋代は月額30,000円、共益費等が15,000円、さらに食費が月額約22,000円となっており、合計しても月額6万円台後半で生活ができる計算になります。東京のど真ん中で、朝夕の食事がついてこの価格帯というのは、一般的な賃貸物件ではまずあり得ない「破格」の条件と言えるでしょう。経済的な負担を大幅に軽減できるため、奨学金を借りる額を減らしたり、アルバイトに追われることなく学業に専念したりできる環境が整っています。
参考)石川富山明倫学館
また、単なる安宿ではありません。鉄筋コンクリート造のしっかりとした建物で、個室は洋室12平方メートル(約7畳強)あり、プライバシーも確保されています。さらに、同郷の仲間がいるという安心感は、初めての東京生活における孤独感を癒やしてくれる最大のメリットです。富山弁が通じる友人がすぐ隣にいる環境は、精神的な支えとなるはずです。
「費用が安いということは、設備が古いのではないか?」「生活環境が悪いのではないか?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、石川富山明倫学館は、時代に合わせて改修や運営の見直しが行われており、現代の学生にとっても快適な空間が提供されています。
まず、食事についてですが、栄養バランスの取れた食事が提供されることは、一人暮らしの男子学生にとって健康管理の面で非常に大きなアドバンテージとなります。自炊の手間が省けるだけでなく、外食ばかりで食費がかさんだり、栄養が偏ったりする心配がありません。食堂は寮生同士の交流の場ともなっており、学部や大学の枠を超えた人脈形成の場としても機能しています。
施設面では、ベランダ付きの個室が用意されており、採光や通風も考慮されています。共同浴場や洗濯室などの共用設備も完備されており、清掃が行き届いているため清潔感があります。特に大浴場は、足を伸ばしてゆっくりと湯船に浸かることができ、日々の疲れを癒やす場所として寮生から好評を得ています。一人暮らしの狭いユニットバスとは比べ物にならない快適さです。
さらに、この寮には「畠山奨学金」という独自の奨学金制度や、成績優秀者を表彰する「畠山育英賞」といった制度も用意されています。経済的な支援だけでなく、学業へのモチベーションを高めるための仕組みが整っているのも、「育英社」が運営する寮ならではの特徴です。単に住む場所を提供するだけでなく、将来の富山や石川、そして日本を背負って立つ人材を育成しようという「明倫」の精神が、こうした制度の端々に息づいています。
参考)https://meirin.or.jp/dormitory/prize/
入寮選考には面接などがあり、誰でも入れるわけではありませんが、その分、入寮者は志の高い学生が多く、互いに切磋琢磨できる環境と言えます。富山から東京へ息子を送り出す親御さんにとって、これほど安心できる「住まい」の選択肢は他にないと言っても過言ではないでしょう。
次にご紹介するのは、富山県民にとっても身近な「明倫」スポットです。それが、お隣の石川県野々市市にある「無印良品 野々市明倫通り」です。富山県内にも無印良品の店舗はいくつかありますが、わざわざ県境を越えてこの店舗まで足を運ぶ富山県民が後を絶ちません。その理由は、ここが北陸地方で最大級の規模を誇る「超大型店舗」だからです。
やの情報によると、この店舗は2019年にオープンし、無印良品が取り扱う約7000点の商品群のうち、ほぼ全てのラインナップが揃うという圧倒的な品揃えが自慢です。富山の一般的な店舗では見かけないような大型家具、専門的な収納用品、珍しい食品アイテムなども、ここに来れば実物を見て触れることができます。「ネットで見て気になっていたけど、実物を確認したい」という商品がある場合、野々市明倫通り店は最適な目的地となります。
参考)今年4月オープンの「無印良品 野々市明倫通り」に潜入!北陸最…
店舗名にある「明倫通り」は、店舗が面している道路の名称であり、近くにある野々市明倫高校に由来しています。この「明倫」という言葉が、地域一帯の文教地区としてのアイデンティティを形成しており、無印良品もその落ち着いた雰囲気に溶け込むように設計されています。
店内には「Open MUJI」と呼ばれるイベントスペースや、「MUJI BOOKS」という書籍コーナーも併設されています。単に物を売るだけでなく、暮らしのヒントや文化を発信する場所として機能しているのが特徴です。例えば、地元の食材を使ったワークショップや、暮らしに関するセミナーなどが定期的に開催されており、買い物以外の目的で訪れても十分に楽しむことができます。また、子ども向けの「木育広場」もあり、小さなお子様連れのファミリーでも安心して買い物を楽しめます。木材をふんだんに使った温かみのある空間は、長時間滞在しても疲れにくいよう配慮されています。
富山市中心部から車であれば1時間弱でアクセスできるため、週末のドライブコースとしても最適です。近くには「コストコ」や「イオンモール白山」などの大型商業施設も点在しており、このエリアだけで一日中買い物を楽しむことができます。「今度の休みはどこに行こうか?」と迷ったとき、「明倫通りの無印へ行く」という選択肢は、富山県民の生活に彩りを加えてくれるはずです。
なぜ北陸の地、特に富山や石川には「明倫」という名のつく学校や施設が多いのでしょうか?そのルーツを辿ると、江戸時代の加賀藩の歴史に行き着きます。加賀藩は「加賀百万石」と称されるほどの強大な財力を持っていましたが、それだけでなく、学問や文化の振興にも非常に力を入れていました。その象徴が、藩校である「明倫堂」です。
「明倫」という言葉は、儒教の経書である『孟子』の一節「人倫を明らかにする」に由来しています。つまり、人としての正しい道、社会の秩序や道徳を明らかにし、学ぶ場所という意味が込められています。加賀藩の藩校・明倫堂は、武士の子弟たちに学問を教え、優秀な人材を育成するための最高学府として機能していました。
富山藩は加賀藩の支藩であり、文化や教育の方針において加賀本藩の影響を強く受けていました。そのため、富山の地においても「明倫」という言葉は、教育や人材育成の代名詞として大切にされてきたのです。先ほどご紹介した「石川富山明倫学館」も、その起源はこの加賀藩の明倫堂にあるとされています。100年以上前の明治時代に設立された当初から、旧加賀藩エリア(石川・富山)の出身学生を支援するという目的が一貫しており、その精神は現代まで脈々と受け継がれています。
参考)https://meirin.or.jp/dormitory/
現代の富山県民にとっても、この歴史的な背景は誇るべきものです。教育熱心な県民性や、勤勉で真面目と言われる富山県人の気質は、こうした藩政時代からの「明倫」の教えが土壌となっているのかもしれません。単なる地名や施設名としてだけでなく、そこには「人を育て、社会を良くする」という先人たちの熱い思いが込められているのです。
最後に、富山にお住まいの方なら一度は目にしたことがあるであろう、もう一つの「めいりん」について触れておきましょう。それは、富山駅の北側に位置する「明輪町(めいりんちょう)」です。読み方は同じ「めいりん」ですが、漢字が「明倫」ではなく「明輪」であることに気づいていましたか?
やで確認できるように、富山市明輪町は郵便番号930-0001、つまり富山駅北口のすぐ目の前、富山ライトレールの始発点付近や、富山県民共生センター「サンフォルテ」などがあるエリアを指します。ここはかつて国鉄の富山操車場や機関区があった場所であり、鉄道の「車輪」をイメージさせる「輪」の字が使われていると考えられます(あるいは、明るい輪が広がるようにという願いかもしれません)。
参考)検索結果 - 日本郵便
一方で、今回テーマにしている「明倫」は、前述の通り「人倫を明らかにする」という儒教的な意味合いを持つ言葉です。この二つは、音は同じでも由来や意味が全く異なります。インターネットで「富山 明倫」と検索すると、予測変換や検索結果にこの「明輪町」の情報が混ざって出てくることがありますが、情報の取捨選択には注意が必要です。
例えば、「明倫の近くの美味しいお店」を探そうとして、誤って東京の寮の近く(文京区)のお店を調べてしまったり、逆に「明輪町の歴史」を知りたいのに加賀藩の学校の話が出てきてしまったりと、混乱の元になりかねません。特に、県外の人に説明する際や、ナビで目的地を設定する際には、「人の倫(みち)」の明倫なのか、「車輪」の明輪なのかを意識的に区別することが、富山通への第一歩と言えるでしょう。
このように、「明倫」というキーワード一つをとっても、東京の学生寮から隣県のショッピングスポット、歴史的な背景、そして地元の地名との違いまで、富山県民の生活に関わる様々な情報が見えてきます。普段何気なく使っている言葉や、見聞きしている施設名の裏側にあるストーリーを知ることで、毎日の暮らしが少しだけ豊かに、そして面白くなるのではないでしょうか。もし東京への進学を考えているお子さんがいれば寮の話を、次の週末の予定が空いていれば野々市の無印良品へ、あるいは富山駅北を歩くときは「明輪」の字を思い出して、それぞれの「めいりん」を感じてみてください。