富山県といえば、全国的にも有名な「富山の薬売り」。300年以上続くこの歴史は、単なる薬の販売にとどまらず、富山の食文化、特に薬膳カレーの発展に深く関わっています。
なぜ富山で薬膳カレーなのか?その背景には、江戸時代から続く「反魂丹(はんごんたん)」などの和漢薬の歴史があります 。富山藩主が推進した製薬業は、漢方や生薬(しょうやく)の知識を庶民に浸透させました。明治以降も、富山大学薬学部などの教育機関が設立され、薬草やスパイスに対する知見が深い土地柄として発展してきたのです 。
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この「薬都(やくと)」としての土壌が、スパイスをふんだんに使ったカレー文化と融合するのは必然でした。
さらに、富山では「富山やくぜん」という認定制度もあり、地元の食材と古くからの薬膳の知恵を組み合わせた料理が推奨されています 。単なるブームではなく、歴史に裏打ちされた「本物の薬膳」がここにはあります。
参考)Instagram
特に注目したいのは、ハトムギやエゴマといった地元の薬用植物との組み合わせです。富山県はハトムギの生産量が日本一であり、これらは美肌効果やデトックス効果が期待される食材として、カレーの副菜やトッピングに使われることもあります 。歴史ある薬の街だからこそ味わえる、深みのあるスパイス体験があなたを待っています。
参考)歴史は300年以上!富山ならではの「薬都グルメ」がすごい|カ…
参考:富山売薬の歴史と廣貫堂のルーツについて(和樂web)
富山県民のソウルフードの一つとして名前が挙がるのが、老舗インド料理店「タージ・マハール」です。ここのカレーは単なる激辛カレーではありません。「医食同源」を掲げ、創業当初から「食べる漢方薬」というコンセプトを貫いています 。
参考)【2022年最新】絶品!!富山のおすすめのカレー20選「イン…
中でも圧倒的な人気と知名度を誇るのが、真っ黒な見た目が衝撃的な「ブラックカシミールカリー」です 。
参考)ブラックカシミール・カリー 極辛口 3.66KM - タージ…
ブラックカシミールのさらに上を行く「裏メニュー」的存在
実は、このブラックカシミールですら「序の口」だという事実をご存知でしょうか?
メニューには、さらに辛さを倍増させたラインナップが存在します。
| カレー名 | 辛さレベル | 特徴 |
|---|---|---|
| ブラックカシミール | ★×5程度 | 激辛の入り口。まずはここから。 |
| レッドカシミール | ブラックの2倍 | シャアも青ざめる辛さと言われる。 |
| グリーンカシミール | ブラックの3倍 | もはや「食べるサウナ」。内臓が熱さを訴えるレベル。 |
スパイスには、発汗作用だけでなく、整腸作用や食欲増進効果も期待できます。特に夏バテ気味の時や、冬の底冷えする時期には、タージ・マハールのカレーで体の芯から温まるのが富山流の健康法です。
富山本店は昭和63年から営業しており、親子3代で通うファンもいるほど 。落ち着いた店内は、一人でスパイスと向き合うのにも、家族でシェアするのにも最適です。
参考)【富山カレーグルメ】富山のカレーといえばココ!おすすめのカレ…
参考:タージ・マハール公式サイト(メニュー・店舗情報)
ここで、検索上位の一般的なランキング記事にはあまり詳しく書かれていない、独自の視点をご紹介します。それは「富山えごま」とスパイスカレーの融合です。
富山市では「富山えごま」の特産化を進めており、このエゴマ(α-リノレン酸を豊富に含むシソ科の植物)を使ったカレー開発に情熱を注いでいるのが、「アジャンタスパイス」です 。
参考)富山えごまの”wa”|みんなの富山えごまプロジェクト
「アジャンタ」といえば、かつて富山大学前にあった伝説のカレー店を思い出す方もいるかもしれません。その味を継承しつつ、さらに進化させたのが現在のオーナー石﨑和生氏です。彼は「富山えごまスパイスカレー部」の監督も務めるスパイス料理研究家でもあります 。
参考)えごまスパイスカレー部|みんなの富山えごまプロジェクト
なぜ「えごま」と「カレー」なのか?
一見、和の食材であるエゴマと、インド由来のスパイスは結びつかないように思えます。しかし、エゴマの実には独特のプチプチとした食感と香ばしさがあり、これがクミンやコリアンダーといったスパイスと驚くほど合うのです。
このカレーは、単に辛いだけでなく、ハーブの香りが豊かで「癒やし」を感じさせる味わいです。えごまの油分(オメガ3脂肪酸)は熱に弱いとされますが、実やパウダーを仕上げに使うなどの工夫で、栄養価を損なわずに摂取できるメニューも開発されています。
特に「スパイシー・エゴマチキンカレー」は、往年のアジャンタファンも「上位互換」と認めるほどの完成度 。健康志向の高い方や、普通のスパイスカレーでは満足できない通の方にこそ、ぜひ体験してほしい「富山の新しい味」です。
参考)https://ameblo.jp/yamikomon/entry-12408131229.html
参考:富山えごまスパイスカレー部(活動内容・レシピ)
次にご紹介するのは、富山市藤の木にある「トートーカフェ(To-To Cafe)」です。ここは、ガッツリ系のカレー店とは一線を画す、女性やママ層に絶大な支持を得ている隠れ家的カフェです 。
人気の秘密:座敷と薬膳
このお店の最大の特徴は、2階に広々とした座敷席があること。小さなお子様連れのママたちにとって、座敷でゆっくりランチができる場所は貴重です。しかし、人気の理由は設備だけではありません。ここの看板メニュー「薬膳キーマカレー」が本格的なのです。
なぜ「美肌」なのか?
薬膳の世界では、スパイスは単なる調味料ではなく「生薬」です。
例えば、カレーによく使われるカルダモンは「スパイスの女王」とも呼ばれ、消化を助けるだけでなく、リラックス効果や口臭予防にも良いとされています 。また、クローブには強い抗酸化作用があり、アンチエイジング(老化防止)の観点からも注目されています 。
トートーカフェのカレーは、こうしたスパイスの効能を、美味しいカフェご飯として手軽に取り入れられるのが魅力。「最近肌の調子が...」と気になっている方こそ、ランチタイムに訪れてみてはいかがでしょうか。心も体もリセットできる、優しい時間が流れています。
最後にご紹介するのは、これぞ「薬の街・富山」の真骨頂とも言えるお店、池田屋安兵衛商店の直営レストラン「健康膳 薬都(やくと)」です 。
参考)https://s.tabelog.com/smartphone/matome/24723/
場所は富山市の中心部。老舗の薬種商の店舗の2階にあり、店内はクラシック音楽やジャズが流れる洗練された空間です。ここはカレー専門店ではありませんが、薬膳料理のコースの一環として、あるいは単品で、非常にクオリティの高い薬膳料理を提供しています。
「薬都」で体験する本物の薬膳
ここの料理は、「体にいいものを食べている」と細胞レベルで実感できるような、優しくも力強い味わいが特徴です。
無添加へのこだわり
もちろん、化学調味料は無添加。素材本来の味を引き出す調理法は、濃い味付けに慣れた現代人の舌には最初「薄味」に感じるかもしれません 。しかし、食べ進めるうちに、素材の滋味深さが染み渡ってくるはずです。
参考)口コミ一覧 : 健康膳 薬都 (ケンコウゼン ヤクト) -…
特に「野草茶」や「高麗人参」などを使ったメニューもあり、カレーという枠を超えて、富山の薬膳文化そのものを体験できるスポットです。県外からの来客を案内するのにも最適ですし、自分へのご褒美として、体を労るランチを楽しむのにもうってつけの場所と言えるでしょう。