
富山県はサクラマスの主要産地として全国的に知られており、春になると県内の河川や富山湾で盛んに漁が行われています。サクラマスは富山県を代表する魚のひとつで、名物料理「ますずし」の材料として古くから親しまれてきました。桜の咲く頃に川を遡上することや、成熟した体に桜色の婚姻色が現れることから「サクラマス」という名前が付けられています。
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富山県内では神通川、庄川、黒部川、小川の4河川でサクラマスが指定魚種となっており、それぞれの河川で独自のルールに従って釣りを楽しむことができます。また富山湾では定置網漁や船釣りでもサクラマスが漁獲され、特に氷見市や入善町の港から出航する釣り船が人気です。
参考)【富山県の小規模河川にてサクラマス咲く】
サクラマスの旬は3月から5月の春の時期で、この時期に海で栄養を蓄えたサクラマスが川に戻るタイミングで最も多く漁獲されます。この時期のサクラマスはサイズが大きく脂が乗っており、味わいが最高潮に達します。一般的な魚の旬は産卵期の前の季節とされるため、秋が産卾期のサクラマスは本来、夏(6月~8月)が最も美味しい時期ですが、天然のサクラマスは春に接岸するため市場では春が旬として扱われています。
参考)サクラマスとはどんな魚?生態や旬の季節などを解説
栄養面ではサクラマスは非常に優れた食材です。ビタミンEを100gあたり2.3mg含んでおり、1日の摂取目安量の約3分の1を摂取できます。ビタミンEは強い抗酸化力を持ち、体内の細胞や栄養素の酸化を防ぐ働きがあります。またカルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれ、カリウムも多いため疲労回復や高血圧予防に役立ちます。
参考)【サクラマス】を食べよう!栄養&効能ガイド。旬の時期やおすす…
富山県内でサクラマス釣りができる主要河川は神通川、庄川、黒部川、小川の4つです。神通川では事前申し込みと抽選によるライセンス制が採用されており、1シーズン70人限定で釣りができます。釣り期間は4月1日から5月31日で、釣り場は富山北大橋上流から富山大橋下流域と、新成子大橋上流端から大沢野大橋下流端までのエリアです。遊漁料は1シーズン31,000円と高額ですが、貸し切り状態でサクラマス釣りに没頭でき、神通川のサクラマスはコンディションが良くサイズも大きいことで知られています。
参考)https://www.ana.co.jp/travelandlife/article/000907/
庄川でのサクラマス釣りは2023年度で4月1日から6月15日まで可能で、釣り場は河口から小牧ダムまでですが、メインポイントは河口から26キロ地点の合口ダム付近までとなっています。2023年度には庄川沿岸漁連管内で272匹のサクラマスが釣れたという実績があります。
参考)サクラマス272匹 富山・庄川沿岸漁連管内の庄川:中日スポー…
黒部川もサクラマス釣りの人気スポットで、5月末までサクラマス釣りが可能です。北アルプスを源流とし、高い山々から富山湾へ流れ込む美しい川として知られています。
参考)シーズン本番に突入した黒部川のサクラマス
富山県の主要サクラマス釣り場のマップと有望ポイントの詳細情報
富山湾ではサクラマスの船釣りも盛んに行われており、特に氷見市と入善町の港から出航する釣り船が人気です。有名な港として宇波漁港と入善漁港があり、多くの釣り人が船釣りを楽しんでいます。富山湾は西側を能登半島に囲まれた地形のため時化が少なく、冬でも釣り船が出船できる日が多いという利点があります。
参考)サクラマスが釣れる富山県のおすすめ釣り船&船釣りプラン-20…
富山湾でのサクラマス船釣りは春から初夏にかけてがシーズンで、定置網にかかったサクラマスも多く水揚げされます。富山湾で良く釣れる釣り場として富山湾全域、氷見漁港、有磯海が挙げられています。
参考)富山県で釣れたサクラマスの釣り・釣果情報 - アングラーズ
船釣りの料金は釣り船によって異なりますが、7時間のプチ遠征便で11,000円程度が一般的です。富山湾の釣り船では季節によってヤリイカ、スルメイカ、アオリイカ、太刀魚、アカムツなど様々な魚種を狙うことができ、サクラマスシーズン以外も年間を通して楽しめます。
富山県の郷土料理「ますずし」は、サクラマスを使った押し寿司で、富山駅弁としても全国的に有名です。木製の曲物(わっぱ)の底に笹を敷き、塩漬けで味付けをしたサクラマスの切り身を並べ、そこに酢飯を押しながら詰め、笹を折り曲げて包み込み、重石をして作ります。
参考)富山のサクラマス - 富山駅前 居酒屋 けやき亭
ますずしの作り方は、まずサクラマスを三枚におろして薄くスライスし、塩を振って水気を出します。水気が出たらふき取り、酢に30分から1時間程度漬けておきます。炊きたてのご飯に寿司酢を加えて酢飯を作り、型にラップを敷いて酢飯とサクラマスを綺麗に並べ入れ、20分程度上に重しを置いて完成です。
参考)日本の郷土料理「ます寿司(富山県)」|食育大事典
熟練した職人が新鮮なサクラマスを手際よくおろし、その日の気候や魚の状態に合わせた塩加減で素早く塩を打つことで、ますずし独特のしっとりとした食感が生まれます。現在、富山市内だけでも十数店舗が伝統のますずしの味を今に伝え続けています。
参考)富山名物『ます寿し』のここが知りたい!
ますずしの食べ方は、まず竹の拍子木をはずし、蓋と笹の葉をめくって木枠から出します。笹で包まれた状態で提供されるため、笹の香りも楽しむことができます。
参考)https://www.ueman.co.jp/?mode=f3
ますずしの発祥・由来・歴史・食べ方の詳細解説
富山県射水市では「いみずサクラマス」というブランド名で、北陸で唯一大規模にサクラマスの養殖を行っています。堀岡養殖漁業協同組合が中心となって海上のいけすでサクラマスを養殖しており、認知度の向上とともに人気が高まっています。
参考)養殖サクラマス 人気 ↑ 昨年の3倍、今季初水揚げ 射水・堀…
2025年10月には射水市、堀岡養殖漁業協同組合、水産商社ニチモウの三者間で「いみずサクラマスの海上養殖事業の推進及び地域活性化等に関する連携協定」が締結されました。この協定により、ニチモウが稚魚・餌料の供給や養殖に係る技術指導、商品開発等を進めることでブランド化に貢献し、地場産業の活性化による地方創生を担います。
参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000154410.html
養殖サクラマスは昨年の3倍の人気となっており、2024年には今季初水揚げで100匹が水揚げされました。養殖のメリットは、卵のときから魚をずっと育てているため、天然のサクラマスでは滅多に味わえない旬の夏の時期(6月~8月)にサクラマスを提供できることです。旬になったサクラマスは自分の力で身に脂をためるため、程よい脂乗りとしっとりとした食感で、サクラマス本来のおいしさを存分に味わうことができます。
参考)https://fishfarmsakura.com/pages/brandstory-sakuramasu
射水市ではいみずサクラマスを使った創作洋風メニューやサクラマス尽くしの御膳など、新たな料理開発も進められており、都内のイタリアンや富山の料亭でも提供されています。
参考)https://www.westjr.co.jp/life/profish/pdf/masu03.pdf
射水市長インタビュー:サクラマスを名産に