富山県民のソウルフードとして絶大な人気を誇る「糸庄」のもつ煮込みうどん。あのグツグツと煮え立つ土鍋、ニンニクが効いた味噌の香り、そして噛み応えのあるもつ。これらを自宅で手軽に味わえるのが、糸庄が販売している「冷凍もつ煮込みうどん」です。店舗での行列を横目に、自宅でゆっくりとあのアツアツを楽しめるのは、富山に住んでいる特権と言えるでしょう。
この冷凍うどんは、単にお店の商品を凍らせただけではありません。家庭のコンロで調理した際に、最も美味しくなるように計算されています。パッケージには、カチンコチンに凍ったスープの塊と、氷見うどん、そして味付けされたもつや野菜などの具材がセットになって入っています。
購入できる場所
以前は店舗での持ち帰りが主流でしたが、現在は購入のハードルがぐっと下がっています。
美味しく作るためのコツ
パッケージ裏面の作り方通りに作れば十分美味しいのですが、より「お店の味」に近づけるためのポイントがあります。
参考)糸庄本店&高岡店前の自販機で買える持ち帰り冷凍うどんレビュー…
糸庄 自動販売機の新規出店のお知らせ(設置場所の詳細)
マリエとやま前の糸庄自販機設置レポート
「氷見うどん」といえば、日本三大うどんの一つにも数えられることがある、富山県氷見市発祥の伝統的な手延べうどんです。一般的には贈答用などの「乾麺」のイメージが強いですが、実は「冷凍」の氷見うどんも存在し、そのクオリティの高さが麺通の間で話題になっています。特に有名な「海津屋」などの製麺所が手がける商品は、乾麺とは違った魅力があります。
乾麺の特徴
乾麺の氷見うどんは、保存性が高く、茹でるとツルツルとした喉越しと、餅のような粘りのある食感が生まれます。手延べ製法による「綾掛け」の工程で繰り返される引き伸ばしが、グルテンの網目構造を緻密にし、独特のコシを生み出しています。しかし、茹でるのに時間がかかり、大きな鍋と大量のお湯が必要になるのが難点です。
冷凍氷見うどんの凄さ
一方で、冷凍の氷見うどんは「茹でたての最高の状態」を急速冷凍しています。これにより、以下のメリットが生まれます。
海津屋では、冷凍の「牛すじ煮込みうどん」なども販売しており、これはつゆと具材がセットになっています。乾麺がお土産や贈答用なら、冷凍は「自分へのご褒美」や「週末の贅沢」として選ばれています。地元のスーパー(アルビスや大阪屋ショップ)の冷凍食品コーナーでも、一般的な冷凍うどんに混じって、少し高級なラインとして並んでいることがありますので、ぜひ探してみてください。
参考)https://www.hyakuyoko.com/shopbrand/195/Y/
海津屋公式オンラインショップ 冷凍商品一覧
富山県民のうどんライフを語る上で絶対に外せないのが「とろろ昆布」です。富山県は昆布の消費量が全国トップクラスであり、スーパーの棚には黒とろろ、白とろろ、おぼろ昆布など、多種多様な昆布が並んでいます。これを冷凍うどんに活用しない手はありません。市販の安価な冷凍うどん(テーブルマークなど)でも、富山の食材を組み合わせるだけで、一気に料亭のような味わいに変化します。
富山流「昆布締め」うどんレシピ
非常に簡単ですが、旨味の相乗効果が凄まじいレシピです。
とろろ昆布から溶け出すグルタミン酸と、うどん出汁のイノシン酸が合わさり、旨味の爆弾となります。とろろ昆布が麺に絡みつき、出汁を吸ってトゥルトゥルの食感になるのがたまりません。
余った刺身で「漬けうどん」
富山は魚が美味しい県ですが、刺身が少し余ってしまうこともあります。そんな時は、刺身を醤油とみりんに漬け込み(づけ)、解凍して冷水で締めた冷凍うどんの上に乗せます。そこに薬味(大葉、ミョウガ)とおろし生姜を添え、冷たい出汁をかければ、氷見の民宿で出てくるような海鮮ぶっかけうどんになります。これにオクラや納豆を加えれば、夏バテ防止のネバネバうどんとしても最強です。
参考)【ひと味違う!?】冷凍うどんの解凍方法とアレンジレシピ7選!…
富山駅周辺や県内の主要スポットには、近年「冷凍自販機」が急増しています。これはコロナ禍で非接触の需要が高まったことや、フードロス削減の観点から注目されましたが、富山では「地元の名店の味を気軽に」という独自の進化を遂げています。うどんだけでなく、ラーメンやスイーツまで幅広く展開されていますが、ここでは「うどん」に関連するスポットを紹介します。
富山駅「ど冷えもん」
富山駅の「きときと市場とやマルシェ」内や駅構内には、サンデン・リテールシステム製の冷凍自販機「ど冷えもん」が設置されています。ここでは、季節によってラインナップが変わりますが、富山の有名ラーメン店の冷凍麺と並んで、うどん商品が入ることがあります。新幹線の待ち時間にサッと購入し、保冷バッグに入れて持ち帰ることができるため、観光客だけでなく、出張帰りのビジネスマンにも重宝されています。
マリエとやま前の自販機群
前述した「糸庄」の自販機がある場所ですが、ここはちょっとした「冷凍グルメスポット」になっています。糸庄の自販機の横に、別のジャンルの自販機が並んでいることもあり、富山の味を一度に買い回ることができます。
スーパーマーケットの自販機
「アルビス」や「大阪屋ショップ」といった地元スーパーの店頭にも、冷凍自販機が設置されている店舗が増えています。ここでは、そのスーパーが推しているプライベートブランドの冷凍食品や、提携している地元飲食店のメニューが販売されています。特に、夜遅い時間にスーパーが閉まっていても、この自販機なら購入できる点が、夜勤明けの人や深夜に小腹が空いた層に支持されています。
注意点
自販機で購入する際は、保冷剤や保冷バッグを持参することをお勧めします。一部の自販機では保冷剤がセットになっている場合もありますが、夏場の富山は湿度も高く暑いため、万全を期すなら準備が必要です。
参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000046590.html
富山県内の「ど冷えもん」設置場所まとめ
ここまでは「味」や「利便性」に焦点を当ててきましたが、少し視点を変えて「雪国・富山の生活と冷凍うどん」という観点で深掘りしてみましょう。なぜ富山でこれほどまでに冷凍うどん(特に高品質なもの)が受け入れられているのでしょうか。
冬の買い物難民対策
富山の冬は厳しいです。特に山間部や豪雪地帯では、雪で数日間買い物に出られないことも珍しくありません。そんな時、冷凍庫に「美味しい麺類」がストックされていることは、単なる食料以上の安心感をもたらします。乾麺も保存食ですが、茹でるために大量の水とガス(または電気)を消費し、調理時間もかかります。一方で冷凍うどんは、少ない水と短い時間で調理可能です。冬場は水道水が冷たく、お湯を沸かすまでのエネルギーも馬鹿になりません。エネルギー効率の面でも、冷凍うどんは理にかなっています。
富山の「水」と冷凍麺
富山は「水」が美味しいことで有名ですが、冷凍うどんの製造過程でもこの水が重要な役割を果たしています。麺を茹で上げた後、急速に冷やして締める工程で、富山の冷たく清冽な地下水が使われることで、麺の表面がキュッと締まり、独特の滑らかさが生まれます。つまり、富山で作られた冷凍うどんは、富山の水を食べるのと同義なのです。県外産の冷凍うどんも美味しいですが、地元の製麺所(犬田製麺や丸山製麺など)が製造した冷凍うどんを選ぶことは、地産地消であり、最も美味しい水を味わう方法の一つと言えます。
鍋文化との親和性
富山県民は鍋料理が大好きです。タラ汁、カニ鍋、ぶりしゃぶなど、冬の食卓には鍋が欠かせません。鍋の締めといえば雑炊か麺ですが、下茹でが必要な乾麺や生麺だと、鍋のスープが濁ったり、塩辛くなったりします。しかし、冷凍うどんは既に茹でてあるため、そのまま鍋に投入してもスープを汚さず、すぐに食べられます。しかも、氷見うどんのようなコシの強い麺なら、煮込んでも食感が損なわれません。この「鍋文化」との圧倒的な親和性が、富山の家庭の冷凍庫にうどんが常備される大きな理由の一つではないでしょうか。
参考)会社のご案内 – 犬田製麺株式会社
犬田製麺株式会社(富山の学校給食麺なども手がける製麺所)