笠舞は富山でなく金沢?アルビスや苗字とおわら風の盆の舞

笠舞は富山?実は金沢の地名ですが、富山発祥のアルビスや苗字、おわら風の盆との「舞」の関連など意外な共通点が。富山県民が訪れるべき笠舞の魅力とは?

笠舞と富山の深い関係

笠舞と富山の深い関係

記事のポイント
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富山企業の進出

金沢の笠舞には富山県民おなじみのスーパー「アルビス」の重要店舗があり、富山の食文化が根付いています。

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地名と伝説

猿丸太夫の笠が舞った伝説が地名の由来。富山の「おわら風の盆」とも「笠」と「舞」で共通点があります。

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グルメとアクセス

富山から車で約1時間。予約必須の「笠舞おでん」など、わざわざ行く価値のある名店が揃っています。

[金沢]の笠舞にある富山系スーパー「アルビス」

 

「笠舞(かさまい)」という言葉を聞いて、富山県にお住まいの方なら一度は耳にしたことがあるかもしれません。しかし、地図で「笠舞」を探してみると、実は富山県内ではなく、お隣の石川県金沢市にある地名であることに気づきます。兼六園や21世紀美術館からも近い、犀川沿いの歴史あるエリアです。

 

なぜ富山県民にとってこの「笠舞」という地名が馴染み深いのでしょうか。その大きな理由の一つが、富山県を代表するスーパーマーケット「アルビス」の存在です。アルビスは射水市に本社を置く、まさに富山の食卓を支える企業ですが、金沢市内にも多くの店舗を展開しています。その中でも「アルビス笠舞店」は、地域の中核を担う重要な店舗として知られています。

 

2024年9月にはリニューアルオープンを果たし、富山県民にとってもさらに魅力的なスポットへと進化しました。店内には、富山湾で獲れた新鮮な魚介類や、富山県民おなじみの加工食品も多く並んでおり、金沢にいながらにして「富山の味」を感じることができる場所となっています。

 

  • 富山直送の鮮魚: 氷見や新湊から仕入れたキトキトの魚が並ぶこともあり、金沢市民だけでなく、富山から訪れた人も納得の品質です。
  • プライベートブランド: アルビス独自の「皆様のお墨付き」のようなPB商品も充実しており、使い慣れた調味料や食材を金沢で購入できます。
  • 最新の店舗設備: リニューアルにより、イートインスペースの拡充やセミセルフレジの導入など、買い物の利便性が大幅に向上しています。

富山から金沢へ遊びに行った際、地元のスーパーに立ち寄ってみると、意外な発見があります。特にアルビス笠舞店は、富山の食文化と金沢の消費文化が融合したユニークな売り場となっており、単なる買い物以上の面白さがあります。「金沢の人は富山の魚をどう食べているのか?」そんな視点で売り場を眺めてみるのも、スーパーマーケットマニアにはたまらない楽しみ方と言えるでしょう。

 

参考リンク:金沢笠舞店 リニューアルオープンの詳細情報(ヤングドライ公式サイト)

[苗字]としての笠舞は富山にもルーツがある?

「笠舞」という言葉は、地名としてだけでなく、実は「苗字(名字)」としても存在します。そして興味深いことに、この「笠舞姓」は富山県とも深い関わりがあるのです。

 

全国的に見ても「笠舞」という苗字は非常に珍しく、その数はわずか数十人から百人程度と言われています。名字由来netなどの調査によると、そのルーツは確かに現在の金沢市笠舞にあるとされていますが、現在の分布を見てみると、石川県だけでなく、富山県内にも「笠舞さん」がいらっしゃることがわかります。

 

特に富山県西部の小矢部市など、石川県との県境に近いエリアで確認されています。これは、かつて加賀藩(石川)と富山藩(富山)の間で人々の往来があったことや、地名に由来する一族が移り住んだ歴史を示唆しています。

 

  1. 全国でも希少な苗字: 笠舞姓は全国ランキングでも数万位に位置するレアな苗字です。もし身近に笠舞さんがいたら、そのルーツを聞いてみると面白いかもしれません。
  2. 地名姓の典型: 日本の苗字の多くは地名に由来しますが、「笠舞」もその一つです。先祖がこの地を治めていたり、居住していたことを示しています。
  3. 富山との繋がり: 歴史的な街道を通じて、金沢の笠舞から富山へと人が移動した痕跡が、現代の苗字の分布に残っています。

もしあなたが富山県内で「笠舞」さんに出会ったら、その方は金沢の笠舞にルーツを持つ一族の末裔かもしれません。このように、地名と人名は密接にリンクしており、県境を越えた歴史ロマンを感じさせてくれます。単なる隣県の地名として片付けるのではなく、自分たちの住む富山とも「人」を通じて繋がっている場所なのだと考えると、笠舞という街への親近感が湧いてくるのではないでしょうか。

 

参考リンク:笠舞さんの名字の由来と分布(名字由来net)

[おわら風の盆]と笠舞の「舞」の意外な共通点

富山県民が「笠舞」という言葉を聞いて、無意識に連想してしまうのが、富山市八尾町で毎年9月に行われる「おわら風の盆」ではないでしょうか。この祭りでは、編み笠を目深に被った踊り手たちが、優雅に町を流します。まさに「笠」が「舞う」姿そのものです。

 

そのため、インターネット検索などでも「笠舞 富山」と検索する人の中には、このおわら風の盆の情景をイメージしているケースが少なくありません。しかし、実際には「笠舞」という地名やお祭りの名称は八尾には存在しません。これは「笠」と「舞」という、風の盆を象徴する2つの漢字が組み合わさったことによる、美しい誤解と言えるでしょう。

 

しかし、全く無関係かというと、そうとも言い切れない面白い共通点があります。

 

  • 笠の役割: おわら風の盆で被る編み笠は、踊り手の顔を隠し、手先の所作を際立たせるための重要なアイテムです。一方、金沢の笠舞の地名由来(後述)も、ある人物が被っていた「笠」が重要な鍵を握っています。
  • 舞の美学: 「舞(まい)」と「踊り(おどり)」は厳密には区別されますが、おわらの洗練された動きは「舞」に近い性質を持っています。地名としての笠舞も、その文字通り優雅な響きを持っており、北陸の人々が古くから「舞」という行為や言葉に特別な美意識を持っていたことを感じさせます。
  • 風のいたずら: おわら風の盆は、台風除けや風鎮めの願いが込められた祭りです。そして、金沢の笠舞という地名が生まれたきっかけも、実は「風」なのです。

このように、直接的な関係はないものの、「風」「笠」「舞」というキーワードで結びついた二つの事象は、北陸の厳しい自然と、それを文化へと昇華させた人々の知恵という点で共通しています。「富山の風の盆」と「金沢の笠舞」。この二つを「風と笠の物語」としてセットで訪れてみるのも、非常に情緒深い旅のテーマになるはずです。

 

参考リンク:おわら風の盆の公式ガイド(富山県観光公式サイト)

[猿丸神社]と笠舞の地名の由来を知る

では、なぜ金沢のその場所は「笠舞」と名付けられたのでしょうか。その由来を知るために訪れたいのが、笠舞エリアに鎮座する「猿丸神社」です。ここは、百人一首にも歌が収められている伝説的な歌人、猿丸太夫(さるまるだゆう)を祀っています。

 

伝承によると、その昔、猿丸太夫がこの地を通った際、突然の突風にあって被っていた笠が空高く舞い上がってしまったそうです。その様子を見た人々が、この地を「笠舞」と呼ぶようになったと伝えられています。このエピソードは、先ほど触れた「風」との関連性を強く裏付けるものです。

 

しかし、この猿丸神社には、一般的な観光ガイドにはあまり載っていない、少しミステリアスな一面もあります。

 

  • 丑の刻参りの伝説: かつてこの神社周辺は木々が鬱蒼と茂る寂しい場所であり、丑の刻参り(わら人形を使った呪いの儀式)の舞台としても知られていたという伝承があります。華やかな地名の響きとは裏腹に、古くから畏怖されるパワースポット的な側面も持っていたのです。
  • 知恵の神様: 現在では、猿丸太夫が優れた歌人であったことから、学業成就や技芸上達の神様として信仰されています。富山から受験生が合格祈願に訪れることもある隠れた名所です。
  • 狛猿の存在: 神社の境内には、名前にちなんで「猿」の像が置かれています。これを見つけるのも参拝の楽しみの一つです。

富山県にも多くの神社仏閣がありますが、地名の由来がこれほど明確なストーリーとして残り、かつその主人公が祀られている神社があるケースは珍しいでしょう。アルビスでの買い物のついでに、この猿丸神社へ足を運び、古の歌人が笠を飛ばされた風を感じてみてはいかがでしょうか。歴史の教科書には載っていない、北陸のローカルな歴史ミステリーに触れることができます。

 

参考リンク:猿丸神社の伝説と現存伝承地ファイル

[富山]から笠舞へのアクセスと周辺のおでん名店

最後に、富山にお住まいの方向けに、笠舞エリアへの具体的なアクセス方法と、絶対に立ち寄りたいグルメ情報をご紹介します。笠舞は金沢駅からは少し離れていますが、車社会の富山県民にとっては非常にアクセスしやすい場所にあります。

 

アクセス情報:

  • 車での移動: 富山市中心部から国道359号線を経由して約1時間10分程度。山越えのルートになりますが、信号が少なく快適なドライブが楽しめます。高速道路(北陸自動車道)を利用する場合は、金沢森本ICまたは金沢東ICで降りてから、山側環状線(金沢外環状道路)を利用するとスムーズに到着できます。所要時間は約50分〜1時間です。
  • 公共交通機関: 富山駅から北陸新幹線または「あいの風とやま鉄道」で金沢駅へ。金沢駅兼六園口(東口)から北陸鉄道バスに乗り換え、「笠舞一丁目」または「猿丸神社前」バス停で下車します。バスの所要時間は約15分〜20分です。

おすすめグルメ:笠舞おでん つぼみ
笠舞に行ったら絶対に外せないのが、「笠舞おでん つぼみ」です。金沢おでんの名店として県外からも多くのファンが訪れますが、ここは特に「出汁の美しさ」で知られています。

 

透き通った塩ベースの出汁は、富山のおでんとはまた違った繊細な味わい。具材には、金沢ならではの「車麩」や「赤巻」、冬には香箱ガニを丸ごと使った「カニ面」が登場します。

 

特に富山県民におすすめしたいのが、加賀野菜を使ったおでん種です。「源助大根」や「金時草」など、富山のスーパーではあまり見かけない野菜が出汁を吸って、極上の味わいになります。

 

人気店のため予約は必須ですが、富山からわざわざ足を運ぶ価値は十分にあります。アルビスで富山との違いを楽しみ、猿丸神社で歴史に触れ、最後は絶品おでんで締める。そんな「笠舞尽くし」のワンデートリップは、富山での日常とは少し違った刺激と癒やしを与えてくれるはずです。今度の週末は、ぜひお隣の金沢・笠舞へドライブに出かけてみてはいかがでしょうか。

 

参考リンク:笠舞おでん つぼみの店舗情報とメニュー(ホットペッパーグルメ)

 

 


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