
富山湾の宝石とも称されるベニズワイガニ。その美味しさを存分に味わうためには、「旬」の時期を知ることが非常に重要です。富山県におけるベニズワイガニの漁期は、毎年9月1日に解禁され、翌年の5月まで続きます 。この約9ヶ月間が、新鮮なベニズワイガニを味わえるシーズンとなります。
一方で、6月から8月までの3ヶ月間は、資源保護を目的とした禁漁期間に設定されています 。この期間は、カニが脱皮や産卵を行う大切な時期であり、将来にわたって美味しいカニを供給し続けるための重要な取り組みです。このルールのおかげで、私たちは毎年安定してベニズワイガニを楽しむことができます。
旬の中でも、特に美味しいとされる時期が2回あると言われています。
意外と知られていませんが、ベニズワイガニはズワイガニ(本ズワイガニ)よりも長い期間楽しめるのが魅力の一つです 。ズワイガニの漁期が例年11月から3月頃までなのに比べ、ベニズワイガニは春まで味わうことができます 。富山を訪れる計画を立てる際は、ぜひこの旬の時期を狙ってみてください。
富山で新鮮なベニズワイガニを手に入れるなら、漁港近くの直売所を訪れるのが一番です。水揚げされたばかりのカニが、驚くほどの価格で手に入ることもあります。特におすすめのスポットをいくつか紹介します。
📍 おすすめの直売所
遠方でなかなか富山まで行けないという方には、通販(お取り寄せ)が便利です。楽天市場やYahoo!ショッピングなどの大手通販サイトでは、富山県内の多くの業者が出店しており、茹でたてのベニズワイガニを冷蔵や冷凍で全国に発送しています 。
通販を利用する際のポイントは、信頼できる業者を選ぶことです。商品のレビューを参考にしたり、漁港から直送している「産地直送」を謳うショップを選ぶと、より新鮮で質の高いカニが手に入りやすいでしょう 。特に、富山湾産直ネットショップやかね七などの名前がよく知られています。
ベニズワイガニは、そのままでも十分に美味しいですが、正しい食べ方と調理法を知ることで、その魅力を最大限に引き出すことができます。ここでは、基本的なさばき方から、プロ直伝の茹で方、そして意外な活用法までご紹介します。
🦀 基本のさばき方
😋 プロが教える茹で方のコツ
家庭で生のカニを茹でる場合、少しの工夫で格段に美味しくなります。
茹で上がったカニの甲羅に日本酒を注いでいただく「甲羅酒」は、カニの旨味と風味が溶け出した格別の味わいです 。また、ほぐした身とカニ味噌を和えて甲羅に乗せ、軽く炙って食べるのもおすすめです。
下記の参考リンクでは、カニのさばき方が写真付きで詳しく解説されています。
「ベニズワイガニ」と「ズワイガニ」、どちらも冬の味覚の王様ですが、実は多くの違いがあります。見た目や味、価格などを比較してみましょう。
| 項目 | ベニズワイガニ | ズワイガニ(本ズワイガニ) |
|---|---|---|
| 生息水深 | 約800~2500mの深海 | 約200~400m |
| 色 | 名前の通り、生の状態から全体が鮮やかな紅色 | 生の状態では茶褐色。加熱すると赤くなる 。 |
| 味と食感 | 水分が多く、みずみずしくジューシー。強い甘みが特徴 。 | 身がぎっしり詰まっており、弾力のある食感。カニ味噌も濃厚で美味。 |
| 漁法 | カニかご漁 | 底引き網漁 |
| 価格相場 | 比較的リーズナブル。直売所では1杯数百円から 。 | 高価。ブランド蟹になると1杯数万円することも。 |
大きな違いは、生息する水深です。ベニズワイガニはズワイガニよりもはるかに深い場所に住んでおり、その高い水圧に耐えるために体内の水分量が多くなっています 。これが、みずみずしくジューシーな食感の理由です。
価格が比較的安いため、ベニズワイガニは「ズワイガニより格下」と見られがちですが、その強い甘みと風味は多くの食通を唸らせます。加工品(カニクリームコロッケ、缶詰など)の原料としても広く利用されています 。一方、ズワイガニは身の詰まりが良く、刺身や焼きガニ、カニしゃぶなど、カニそのものの味を堪能する高級食材として扱われることが多いです。
富山県のベニズワイガニ漁は、ただ美味しいカニを獲るだけでなく、豊かな海の恵みを未来につなぐための取り組みにも力を入れています。あまり知られていませんが、ベニズワイガニを獲る「かにかご漁」は、富山県が発祥の地とされています 。この漁法は、海底にカゴを沈めてカニが入るのを待つというもので、海の底を網で引きずる底引き網漁に比べて、海底環境への影響が少ないサステナブルな漁法と言えます。
🌱 持続可能な漁業への取り組み
こうした厳しい自主規制のもとで、富山の漁業関係者は資源管理を行っています。この持続可能な取り組みこそが、私たちが毎年美味しいベニズワイガニを味わえる理由なのです。
さらに、富山県ではベニズワイガニの価値をより高めるため、2016年からブランド化を推進しています。それが「高志(こし)の紅(あか)ガニ」です 。これは、古代に富山県が「高志の国」と呼ばれていたことに由来します 。
「高志の紅ガニ」として認定されるには、以下の厳しい基準をすべてクリアする必要があります。
これらの基準を満たした高品質なベニズワイガニだけが、青いタグをつけられ「高志の紅ガニ」として出荷されます。まさに、選び抜かれたエリートの証です。立山連峰からの栄養豊富な水が流れ込む富山湾で育つベニズワイガニは、もともと品質が高いことで知られていますが 、このブランド化戦略により、その価値がさらに広く認知されるようになりました。富山を訪れた際は、この特別な青いタグを探してみてはいかがでしょうか。
下記の参考リンクでは、「高志の紅ガニ」について詳しく解説されています。